セロトニン神経系の光操作・観察によるモデルベース的意思決定の脳内機構解明

A01セロトニン神経系の光操作・観察によるモデルベース的意思決定の脳内機構解明

 既知の限られた情報から推測することは複雑な環境に適応するために重要な精神機能だと考えられます。例えば、以下の図に示したような状況を考えてみましょう。A⇒B⇒Cという情報を最初に得ていますが、後に情報が更新されて、B⇒Dという情報を得ました。しかし、一度もA⇒B⇒Dという一連の情報は得ていません。この場合、通常ヒトはA⇒B⇒Dという一連の情報を直接得なくても、そうだと推測します。このような推測に基づいた意思決定を、モデルベース的意思決定と言います。本研究では、このモデルベース的意思決定の神経基盤を解明しようとします。従来の研究では、前脳のセロトニン遊離がモデルベース的意思決定に関与することが推測されてきましたが、直接的な証拠はまだ得られていません。これは、セロトニン神経選択的に神経活動を操作したり観察したりする技術が最近まで存在しなかったことに主に起因すると考えられます。そこで本研究では、近年発展著しい光遺伝学的手法とイメージング手法(カルシウムイメージング)を用い、セロトニン神経活動がモデルベース的意思決定に果たす役割について直接的な証拠を得ることを目的とします。

 

研究者リスト

  • 大村 優

    Project Leader

    大村 優

    北海道大学

    講師

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