A02運動と行動 潜在的運動における学習適応メカニズムの解明と計算モデル構築の研究
私たち人間は、熟達した運動に必要な複雑な情報処理をすべて意識的・明示的に行うわけではありません。本研究では、未だ謎の多い、感覚情報によって無意識に駆動される「潜在的な感覚運動生成」の情報処理の学習・適応のプロセス、および自己運動感覚とのインタラクションを、運動学的・心理物理学的手法、電気生理学的手法、計算論的モデリングなどを組み合わせて明らかにし、随意的・潜在的運動の統合学習モデルに結び付ける基礎知見を明らかにすることを目標とします。潜在的な感覚運動の具体的対象として、視覚運動によって誘発される潜在的な腕応答(追従腕応答)を生成する系をメインターゲットとし、大脳皮質を含む情報処理神経基盤を明らかにし、自己運動感覚がある随意運動の運動指令生成過程とのコントラストを浮き彫りにし、潜在的感覚運動生成の学習・適応メカニズムに迫ります。さらに、新学術他チーム研究者と協力し、統合運動学習モデルを構築・実証することを目指し、新たな脳型計算の枠組み構築に貢献します。