自己と他者の動作データからの内部モデルの構築と行動則の獲得

A02運動と行動 自己と他者の動作データからの内部モデルの構築と行動則の獲得

 近年、大量のデータが容易に入手可能となり、また計算機能力が飛躍的に向上したことを背景に画像処理や音声認識などの分野においてビッグデータを用いた解析が盛んです。一方で、ロボット等の制御系への応用は、実ロボットにおける大量データ収集の困難さゆえに立ち遅れています。本研究では、脳に学んだ計算原理に基づいて自己や他者の動作データから身体や外界の内部モデルを構築するアルゴリズムの開発を目指します。内部モデルを構築することでロボットシステムが仮想的に外界とインタラクションを行うことを可能とし、結果、大量データの生成と計算機能力を活かした行動則の獲得が可能となります。具体的には、以下の2点について研究を推し進めます。

1.他者動作データからの自己内部モデルの導出
 ヒューマノイドロボットのモデルパラメータ推定技術と運動学習に関わる限定的なモデルを同定する技術を組み合わせ、観測された他者動作データから効率的な内部モデル学習を可能とすることを目指します。
2.内部モデル学習と強化学習の接続およびその相互作用の設計
 内部モデルは自己や他者の実環境における動作データから逐次更新されます。また、この内部モデルを用いて行動則が強化学習により逐次獲得されます。この二つの学習システムの適切な相互作用により、効率的かつ安定した運動学習を可能とする枠組みの導出を目指します。

研究者リスト

  • 森本 淳

    Project Leader

    森本 淳

    (株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)脳情報通信総合研究所 ブレインロボットインタフェース研究室

    室長

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