Title:機械学習入門
鹿島 久嗣(かしま ひさし)
京都大学/理研AIP
今回の人工知能ブームにおいて,機械学習,より広い意味ではデータ解析技術は中核的な役割を担っているといえるでしょう。元々は人工知能研究の一分野として始まり,知識獲得のボトルネックを解消するための解決策として期待された機械学習は,ビッグデータやモノのインターネット(IoT)といった近年の社会的要請を背景に大きく飛躍しました。現在では多くの企業・国・自治体が機械学習技術をその競争力の源泉として位置づけようとしのぎを削っています。一方で,メディア等では一部のセンセーショナルな側面のみが強調され,人工知能や機械学習に対する過剰な期待や過信があることも否めません。本チュートリアルは特に初学者を対象として,機械学習の基本的な考え方やモデルについて初歩から解説するとともに,深層学習や集合知の利用などの近年の動向についても紹介していきます。
1. 機械学習で何ができるか
2. 基本的な問題設定とモデル
3. 応用(推薦システム,異常検知など)
4. 最近のトピック(深層学習,集合知)
参考文献:
1, C.M.ビショップ:パターン認識と機械学習(上・下), シュプリンガー-ジャパン, 2007-2008.
2, ピーター・フラッハ:機械学習, 朝倉出版, 2017.
3, 中川裕志:機械学習,丸善出版, 2015.
4, 岡谷貴之:深層学習, 講談社, 2015.
5, 鹿島久嗣, 小山聡, 馬場 雪乃:ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング, 講談社, 2016.