前頭前野における情報の抽象化と演繹的創生の神経メカニズムの研究

A03認知と社会性 前頭前野における情報の抽象化と演繹的創生の神経メカニズムの研究

  我々のグループは、主にサルを被験体として、思考・推論の基礎となる神経メカニズムについて調べてきました。特に、新学術領域研究「予測と意思決定」(2011-2016)においては、推論課題を用いて、前頭前野ニューロンと大脳基底核線条体ニューロンの比較研究を行い、前頭前野外側部ニューロンは推移的推論ができるのに対して、線条体ニューロンは直接経験した連合学習を通してしか将来の予測ができないことを示しました(Pan et al., 2014)。さらに、この結果をもとに前頭前野ニューロンにおける推論の計算は、信号の抽象化による情報の生成(カテゴリー化)によって可能になっているという仮説を提唱しました(Tanaka et al., 2015)。本新学術研究では、この仮説を実証するために、カテゴリー推論を行うニホンザルの前頭前野ニューロン群の活動を、剣山型電極を使った活動電位の多チャンネル同時記録、および、最新のカルシウムイメージング技術を使って同時記録し、人工知能技術を使ったデコーディング解析を行うことにより、推論の神経メカニズムを明らかにすることを目指します。

研究者リスト

  • 坂上 雅道

    Project Leader

    坂上 雅道

    玉川大学 脳科学研究所

    教授

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  • 小口 峰樹

    Collaborator

    小口 峰樹

    玉川大学 脳科学研究所

    特任助教

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