A03認知と社会性 感覚運動と言語をつなぐ二重分節解析の脳内計算過程の理解と応用
二重分節構造は人間の音声言語には音声信号が音素に分節化され、また、これが単語へと分節化されるという二段階の分節構造を指し、人間の言語に特有の構造と言われます。この事実は人間の脳が二重分節構造を解析すること(二重分節解析)に秀でた計算能力を持っていることを示唆しています。しかし、脳科学の分野においては人間の脳内における二重分節解析の計算過程は未だ明らかではありません。また、人工知能の分野においても二重分節解析を用いて人間との実音声対話から言語を獲得し実世界コミュニケーションを実現するロボットの設計論は確立されていません。本研究では人間の言語獲得の基盤としての二重分節解析と動的カテゴリ形成の脳内計算過程を明らかにし、新たなコミュニケーションロボットの設計論、統合失調症などの言語・思考・感覚運動に渡る疾患の理解と支援に役立てることを目指します。
- 二重分節解析と動的カテゴリ形成の脳内計算過程を表現する内部モデル計算論の構築
- 二重分節解析と動的カテゴリ形成の脳内計算過程の解明
- 自律的な言語獲得・運動学習を実現するロボットの創造