報酬/目的指向行動の神経回路機構

A02運動と行動 報酬/目的指向行動の神経回路機構

 報酬/目的指向行動を適切にかつ柔軟性を持って遂行する機構の解明は脳科学と人工知能に共通する課題です。大脳基底核は報酬/目的指向行動に必須な脳部位であり、パーキンソン病、薬物依存症、PTSD、うつ病、統合失調症といった多くの精神神経疾患で障害されています。本研究では、報酬/目的指向行動と柔軟性に関与する大脳基底核神経回路の解析から、腹側線条体回路と背側線条体回路、直接路と間接路の役割の違いに焦点を当てて、並列情報処理機構を同定します。さらに大脳皮質、海馬体、扁桃体、黒質からの大脳基底核神経回路への入力による並列回路のトップダウンの切り替え制御を明らかにします。また、さまざまな精神神経疾患のモデルマウスの報酬/目的指向行動と領域・回路特異的な脳内表現を調べることによって、各精神神経疾患の神経回路制御異常と分子病態を同定しトランスレーショナルリサーチにつなげます。これらより報酬/目的指向的な表現学習における並列回路における情報処理機構と精神神経疾患モデルでの破綻を解明し、領域内の連携により人工知能、ロボティクス、計算精神医学と脳科学の融合に貢献します。

研究者リスト

  • 疋田 貴俊

    Project Leader

    疋田 貴俊

    大阪大学蛋白質研究所 高次脳機能学研究室

    教授

  • Tom Macpherson

    Co-researcher

    Tom Macpherson

    大阪大学蛋白質研究所

    特任助教

    WEBSITE

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