神経活動と分子活性が織り成す学習規則の可視化

A01神経活動と分子活性が織り成す学習規則の可視化

  人工知能は特化された問題解決能力を持つ一方で、脳は様々な問題を解決できる汎用の知能と言えます。人工知能が多様な課題解決能力を持つためには、脳がもつ学習の仕組みを理解することが一助となるでしょう。本研究ではアルゴリズムとしてあまり理解が進んでいない神経可塑性分子に着目します。脳科学では遺伝子操作技術の発展に伴い、学習や神経可塑性に関わる分子が数多く同定されています。例えば転写調節因子のCREBは長期シナプス可塑性の発現に重要な役割を果たし、遺伝子操作によってCREBを活性化したマウスは、長期記憶能力が高まることが知られています。このように遺伝子操作の技術を使えば、遺伝子の活性化や欠損によって、分子と行動との相関を調べる事ができます。しかし、分子活性がどのようにして、なぜ、行動に変化を引き起こすのかはよく理解されていません。これは分子と行動の中間レベルにある神経回路のレベルで、分子活性の持つ意味がわかっていないことが、理由に挙げられます。分子活性と学習との関係を、神経回路レベルで理解するため、本研究班では2光子顕微鏡を用いて分子活性と神経活動の同時観察を行います。神経活動と分子活性の相互作用によって、脳が行う効率のよい学習規則を明らかにし、これを人工知能研究に還元することを目指します。

研究者リスト

  • 濱口 航介

    Project Leader

    濱口 航介

    京都大学大学院医学研究科

    講師

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  • 安部 健太郎

    Collaborator

    安部 健太郎

    東北大学大学院生命科学研究科

    教授

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