多階層表現学習の数理基盤と神経機構の解明

A01知覚と予測 多階層表現学習の数理基盤と神経機構の解明

 近年、ディープラーニング(深層学習)という技術が注目を集めています。最近ではディープラーニングにおける生成モデルの重要性が認識されており、生成モデルと記号の操作を組み合わせた技術は、今後、ディープラーニングの研究の進展の上で、また脳機能との対比を考える上でも大変重要な技術になると予想されます。そこで、本研究では、次の2点をテーマにして研究を行います。
 ひとつめは、記号処理を組み込んだDeep Q Network(DQN)の構成です。DQNは、アルファ碁でも有名なアルゴリズムで、深層学習と強化学習を組み合わせたものです。これを発展させ、アクションのチャンク化や状態の抽象的表現等の課題を解きながら、記号処理と強化学習を結びつけ、より深い推論・探索ができるアルゴリズムを構築します。
 ふたつめは、文章と画像を変換するような技術の構築です。画像を介した翻訳機能の実現や画像空間における演算を活用した演繹推論の実現などを目指します。
 こうした取り組みを通じて、ディープラーニングによる認識機能に加えて、記号処理や言語処理など、どのような処理系が必要なのかを工学的に模索します。そして、脳科学で得られている知見との対応を考えることで、新たなアルゴリズムの構築につなげると同時に、脳科学分野に対しても新たな知見を提供することを目指します。

研究者リスト

  • 銅谷 賢治

    Project Leader

    銅谷 賢治

    沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニット

    教授

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